『ひとりでしにたい』は、カレー沢薫さんとドネリー美咲さん(原案協力)による漫画作品で、2019年9月号から2020年3月号まで『月刊モーニングtwo』で連載され、現在は『コミックDAYS』で連載中です。本作は、35歳独身女性が伯母の孤独死をきっかけに「終活」を意識し、より良い生き方と死に方を模索する物語です。
あらすじ
主人公の山口鳴海は、35歳の独身女性で美術館の学芸員として働いています。ある日、尊敬していた伯母が孤独死し、黒いシミのような状態で発見されるという衝撃的な出来事が起こります。この出来事をきっかけに、鳴海は婚活よりも終活に目を向け、誰にも迷惑をかけずに一人でより良く死ぬためには、より良く生きるしかないと決意します。
主人公と愛猫
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山口鳴海
35歳、独身。美術館の学芸員として働いており、自分で購入したマンションで猫と暮らしています。伯母の孤独死をきっかけに終活を考え始め、情報収集を始めます。 -
魯山人
鳴海の飼い猫で、ブリティッシュショートヘアのハチワレです。
鳴海の同僚たち
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那須田優弥
24歳。官庁から出向中のエリートで、鳴海に興味を持ち、孤独死をネタに話をするようになります。情報が豊富で、鳴海の両親も那須田のレクチャーに真剣に耳を傾けています。 -
松岡
独身。母が遠方の特別養護老人ホームに入所しており、認知症が進んだ母の介護を全く手伝わなかった兄を恨んでいます。 -
山崎
広報担当。年代は那須田と近く、大学は日本学生支援機構の奨学金(第一種)で通いました。
鳴海の家族
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山口和夫
鳴海の父。2年前に定年退職し、鳴海と那須田との話し合いから終活について考え始めます。 -
山口雅子
鳴海の母。結婚してからは専業主婦で、現在はヒップホップに入れ込んでいます。 -
山頭火
鳴海の実家の飼い猫。雑種のハチワレです。 -
山口光子
鳴海の伯母。キャリアウーマンでしたが、定年後は身を持ち崩し、ゴミ屋敷と化した自宅マンションで孤独死し、無残な状態で発見されました。 -
山口聡
鳴海の弟。 -
山口まゆ
聡の妻。 -
山口翔
聡の息子。5歳。
終活を通じて見えてくる現代社会の課題
本作では、主人公の鳴海が終活を進める中で、現代社会が抱えるさまざまな課題が浮き彫りになります。孤独死や高齢者の介護問題、家族間のコミュニケーション不足など、誰もが直面し得る問題がリアルに描かれています。
終活を始めるきっかけとその重要性
鳴海が終活を始めるきっかけとなった伯母の孤独死は、他人事ではありません。終活は高齢者だけでなく、若い世代にも関係する重要なテーマです。自分の人生を見つめ直し、より良い生き方と死に方を考えることは、誰にとっても大切なことです。
終活を通じて得られるもの
終活を進める中で、鳴海は自分自身や家族、友人との関係を見直し、新たな気づきを得ていきます。終活は単なる死の準備ではなく、今をより良く生きるための手段であることが、本作を通じて伝わってきます。
まとめ
『ひとりでしにたい』は、孤独死や終活といった重いテーマを扱いながらも、ユーモラスで読みやすい作品です。主人公の鳴海が終活を通じて成長していく姿は、多くの読者に共感と気づきを与えてくれるでしょう。ぜひ一度手に取ってみてください。
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